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総務委員会
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平成20年4月11日 |
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○土井(亨)委員 おはようございます。自由民主党の土井亨でございます。
私自身まだまだ素人でありますけれども、この電波法につきましては、自分の考えも含めて質疑をさせていただきたいというふうに思います。
今回は使途拡大がメーンということで、この電波利用料財源というものの使途について、もう少ししっかりと国民の皆さんのニーズにこたえよう、また、デジタル放送の対応等々、取り組まれるというふうに思っております。
ただ、今いろいろ無駄遣いというものが大変問題になっておりまして、一方で国民の皆さんの怒りも買っているということでありますから、どんな財源であっても、その制度にしっかりのっとって、適正な運用といいますか、しっかりとしたものでなければならない、その上に立っての今回の料額の見直し、電波料の見直しだというふうに思っております。
今回から三年間ということで試算をされまして、料額の見直しを行っていくことになっておりますけれども、この三年間の試算というものをどのように行っているのか、まずお伺いをさせていただきたいと思います。
○寺崎政府参考人 お答えいたします。
電波利用料財源を充てる電波利用共益事務は、社会経済情勢や行政ニーズの変化に的確に対応することができるよう、適宜見直しを行う必要があろうかと思っています。
他方で、免許人等にとって負担の予見性が損なわれず、徴収事務の煩雑化を招くことがないよう、その見直しが余りに頻繁に行われることがないようにする必要もあるところでございます。
そういった見地から、国の一般の行政手数料について通例三年ごとに見直しを行っていることも踏まえまして、電波利用料の料額につきましても三年ごとに見直しを行っております。
今後三年間に見込まれる費用の試算につきましては、平成二十年度に行う電波利用共益事務、それから、現時点で平成二十一年度、平成二十二年度に行うと見込まれる電波利用共益事務について、その費用の見込みを計算して算定しているところでございます。
○土井(亨)委員 三年間に見込まれる費用の試算といいますと、いろいろな事業を三年間でやられるということでありますから、その事業の箇所数やら、その事業に一体幾らぐらいかかるのか、その積み重ねが三年間に見込まれる費用の試算だというふうに私は思っております。
今御説明していただきましたけれども、そういう点もできれば御説明いただければというふうに思います。
○寺崎政府参考人 電波利用料、いわゆる電波をうまく免許人の方々に使っていただくための広義の手数料というような位置づけになろうかと思います。そういった意味では、実費ベースでそういったようなものははじかれるわけですけれども、そういった中で、二十年度予算、二十一年度それから二十二年度を見込んでおりますけれども、電波監視それから無線局データベースの管理、電波資源拡大のための研究開発及び技術試験事務、それから特定周波数変更対策業務、さらに無線システムの普及支援事業、そういったようなものに対しまして予算を想定いたしまして計算しております。
○土井(亨)委員 そういう抽象的なお答えでは、ちょっと私も、うむと思うのでありますけれども。いろいろな事業を展開されるのはわかるんですけれども、そういう事業をことしどのぐらいの箇所を目標にやって、その事業が一体一件どのぐらいという見込みで試算をされて、その積み重ねがことしの事業料の総額になるんだろうというふうに思いますので、それはそれで、今お話しいただきましたので、ぜひ適正な形で厳格に執行していただきたいというふうに思います。
それから、やはりこういう財源というのは、今はこういう時代でありますから、歳出規模の削減というものに努めていかなければならないというふうに思っております。そういう意味で、今回、平成十九年度と比べて、電波監視というものは七十六億から六十八億に減少している、私自身はこれが歳出規模の抑制だというふうに思いますが、電波利用の拡大という点から考えますと、今からこの電波監視というのはますます重要になってくるんだろうというふうに思っておりますので、この電波監視というものが減額された理由についてお伺いさせていただきたいと思います。
○寺崎政府参考人 先生御指摘のとおり、電波監視施設の整備は、電波利用状況や電波技術の発展など、そういった観点から、電波利用をうまく進める上で大変重要な業務だというふうに思っております。
電波監視施設の整備につきましては、電波利用環境の動向を考慮しながら整備計画を策定しまして、計画的に施設整備を実施してきております。
先生御指摘のとおり、七・六億円の削減につきましては、計画的整備による施設整備数の減だとか、さらに一般競争入札の促進により生じたものでございまして、監視業務に支障を来すものではないと考えています。
今後とも、監視業務に必要な施設整備等につきましては、計画的に実施するとともに、業務の円滑な遂行に努めていきたいと考えております。
○土井(亨)委員 今は施設整備等々や入札ということでの削減ということでありましたので、この監視業務についてはぜひ、やはりますますしっかりと予算をつけてやっていただきたいと思います。電波のルールを守るためにも、その辺には特に留意をしていただきたいというふうにお願いをさせていただきます。
今回の改正案では、電波利用料の使途について新たに、山間部でテレビ放送を視聴するための共同受信施設のデジタル化の支援というものもございます。この日本の中で、こういう共同受信施設を必要としている地域というのはどのぐらいあるんでしょうか。
○小笠原政府参考人 お答え申し上げます。
今先生御指摘の、山間部等でテレビジョン放送を視聴するための辺地共聴施設でございますが、全国に約二万施設ございます。
内訳といたしまして、NHKが住民と共同で設置しておりますいわゆるNHK共聴が八千五百、そのほか、市町村あるいは住民の方々が共同で設置した施設、いわゆる自主共聴施設と呼んでおりますが、これが全国で約一万一千ございます。合わせて約二万ということになっております。
○土井(亨)委員 それでは、今回こういう事業が設けられたわけでありますけれども、この三年間でどのぐらいの支援をする計画になっているのか、その辺もまたお答えいただければと思います。
○小笠原政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど申し上げました全国約二万の施設のうち、八千五百のNHK共聴施設、これは、放送法の規定に基づきまして、NHKが責任を持ってデジタル改修を行っていただくこととなっております。残りの約一万一千の自主共聴施設でございますが、このうち約一千施設は既にデジタル改修が済んでいると見られておりまして、この残りの約一万施設のうち、デジタル改修に当たりまして住民の負担が著しく過重となると見込まれる約六千施設を支援対象と見込んでいるところでございます。
これら六千施設のデジタル化支援を平成二十年度から二十二年度までの三年間で計画的に進めることとしておるところでございます。
○土井(亨)委員 平成二十二年末までに地上デジタル放送の視聴可能世帯は約九九・五%になるんだ、これは推計でありますから、私は、推計というものほどアバウトなものはないというふうに思っております。残りの〇・五%が大変重要なことでありまして、この〇・五%の世帯が間に合わないということであれば、私は、大変問題が起きてくるというふうに思います。
そういう意味で、今の数字はしっかりとお調べをいただいた数字だというふうに思いますが、やはりこういう、国策としてしっかり全国的に全世帯をカバーしなければならないというときは、しっかりその実態の把握、そういうものが私は重要になってくるんだろうというふうに思います。
今の件数というものも踏まえながら、改めてお伺いをいたしますが、総務省として、受信施設の数、加入世帯の数、自信を持った実態の数ということで把握されているんでしょうか。
○小笠原政府参考人 お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、辺地共聴施設の正確な実態把握というのは、大変重要な課題と私どもも認識しているところでございます。
数につきましては、改めて申し上げますと、NHK共聴施設につきましては、これはNHKが維持管理をしてまいりますので、NHKの協力を得まして、その実態あるいは改修状況については今後とも把握していきたい。
自主共聴施設、全国一万一千の方でございますが、先生御指摘のような趣旨も踏まえまして、現在、改めてこのデジタル改修状況あるいはその改修計画などの精査を実は行っているところでございまして、これを本年四月中を目途に取りまとめを行う予定でございます。
この調査の途中段階の集計で、先ほども申し上げましたように、約一千施設程度が既に対応済みと見られますが、この四月に精査を行いますれば、今後年二回、つまり半年に一遍程度、フォローアップといいますか、その後どの程度進んでいるか、いわゆる進捗状況を把握するための見直しというものを行う予定でございます。
これを受けまして、先ほども申し上げましたように、三年間ですべての共聴施設のデジタル化が行われるよう、各年度それぞれに整備目標を定めまして、それぞれに各市町村の協力も得まして、改修状況がどうなっているか、そういうことを把握するとともに、住民の皆様方に周知説明会も反復して開催する、あるいは、今回の電波法に盛り込んでおります財政支援措置も着実に運用していきたい、かように考えているところでございます。
○土井(亨)委員 推計でどうのこうの、これも発表する段階では必要なんだろうというふうに思いますが、やはり責任ある総務省でありますから、デジタル化を進めていくという本当に重い任務があるわけでありますので、推計ということではなくて、実態というものを常にとらえながらカバーをしていっていただきたいというふうに思います。
新たに今回、携帯電話等エリア整備支援事業を拡充するというような事業もございます。これは、携帯がつながらないというところに鉄塔、中継所等々を建てていくということなんでありますが、私は宮城県で県会議員をしておりましたときに、平成五年、六年ごろから移動通信用鉄塔施設整備事業というのがあったというふうに記憶をいたしております。市町村が事業主体でありまして、事業者と調整しながらやっておったという記憶があるのでありますけれども、これとの整合性、これをずっと一般財源で多分平成五年ぐらいからやってきたんだというふうに思いますが、新たに携帯電話の整備支援事業を十七年からやってきた。
同じもののような感じもしますので、これを今回統合するということでありますけれども、これの整合性といいますか、これをやることによって今以上に普及に努めるんだ、そういうエリアが少なくなるんだというようなことであればどんどんやってほしいのでありますが、その点についてちょっとお伺いをさせていただきたい。
○寺崎政府参考人 携帯電話は国民生活のさまざまな場面で活用されておりまして、その利用を確保することは政府としても積極的に取り組むべき課題と考えております。
そのため、先生御指摘のように、総務省といたしましても、平成三年度からは基地局整備に係る移動通信用鉄塔施設整備事業を実施しておりまして、過疎地域等の条件不利地域におけるエリア整備の支援に取り組んできたところでございます。
今回、携帯電話の小セル技術といった周波数の能率的な利用に資する無線技術を積極的に活用する見地から、現在御審議いただいている電波法改正案におきましても、従来の有線伝送路に加えまして基地局施設等を支援対象として追加いたしまして、電波利用料による一体的な整備を図るとともに、特に整備が進みにくい地域の基地局整備に係る国庫負担割合を二分の一から三分の二に引き上げることにより支援拡充を図っているといったようなところを考えています。
なお、本法案をお認めいただいた暁には、総務省としても、説明会の実施など、地方公共団体等に事業内容の周知を図ることにより、適正かつ円滑な事業運営がなされるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○土井(亨)委員 やはり事業者というのは採算を考えますので、余りそういう条件不利地帯というところには投資したくない。そういう中で国や県や市町村が補助をして鉄塔等々を建てるのでありますけれども、それでもなかなか事業者というのは条件不利地帯には投資をしないということがございます。
私は、特に山岳地帯で遭難をした場合、携帯電話というのはすごく役に立つんだろうというふうに思います。私の地元でも昨年の秋に山岳遭難が起きました。そのときに救助に向かった方々が、携帯がつながらないということで、一々無線を用意したり下山をしたり、いろいろな形で本隊との情報共有が時間的に物すごくかかりまして、なかなか思うように進まないと。
だからといって、山岳地帯全部そういう形をとれということではありませんが、やはり、大体登山する山岳地域というかそういうところは地域が把握しておりますし、また一つ、まだまだ観光地であっても携帯がつながらない、行楽シーズンは人が来るんだけれども携帯がつながらないというようなところは、やはり観光面を推進する日本という国からすると、そういう点にこそ私は国が責任を持って携帯電話のエリア整備支援事業というのは進めていくべきだろうというふうに思っておりますが、地域に目を向ける必要性というものをどういうふうにお考えか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。
○寺崎政府参考人 今、携帯電話のエリア拡大につきましては、まずは居住地域でありながらエリア外となっている不感地域の解消が急務であると考えておりますけれども、委員御指摘のとおり、携帯電話が国民の安全、安心の確保に有効な手段ということであることも踏まえまして、観光地等のエリア整備についても取り組むべき課題と認識しています。
また、現在御審議いただいている電波法改正案におきましては、超小型基地局の運用の規制緩和策も盛り込ませていただいておりまして、今後、高層ビル、マンションのほか、行楽地の宿とかホテルですね、そういったところの屋内における不感地帯の解消にも効果を発揮するものと期待しております。
一方、観光地等は、山間部などが地形的な条件により非常に整備が厳しい地域が多いわけですけれども、経済的な簡易型基地局等の新技術の開発など、さまざまな視点から官民一体となって総合的な取り組みを進める必要があると思っています。
また、今年度から、電波利用料を活用いたしまして、災害時等におきまして、直接衛星と通信可能な地上・衛星共用携帯電話システムの研究開発を実施することとしておりまして、山間部等での不感地解消に寄与するものと期待しています。
総務省では、こういったような状況を踏まえまして、昨年の十月から、デジタル・ディバイド解消戦略会議を開催いたしまして、さまざまなこういったような観点から、今後の携帯電話のエリア整備のあり方について御議論いただいているところでありまして、ことしの六月に同会議の報告書が取りまとめられる予定でございまして、総務省としても、会議での議論も踏まえつつ、一層の取り組みを推進してまいりたいと考えています。
○土井(亨)委員 時間が参りましたので、これで終了させていただきたいと思いますが、一点だけ、ぜひ御要望させていただきたいのは、地上デジタル化に伴って、やはり高齢者、年金の世帯の皆さん方が大変な経済的負担になる、その点にはぜひ御留意をいただきながら、国としてぜひ支援の手だてを考えていただきながら進めていっていただきたいというふうに思います。
終わります。ありがとうございました。
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