内閣委員会

平成19年6月13日

○土井(亨)委員 自由民主党の土井亨でございます。
 もう、きょう最後の質問でございますので、皆さんお疲れだというふうに思いますので、重複する質問は省かせていただいて、なるべく簡単に早く終わらせたいと思いますので、大臣、よろしくお願いをいたします。
 銃器対策の質問をしなければならないんですが、重要施策ということで、一点だけ、交通局長においでをいただいております。
 先ほどの道交法の改正におきまして、委員の皆さんから飲酒運転について大分議論がございました。認識ということだけでちょっとお伺いをさせていただきますが、今アルコール検知器というのが大分流通しているようでございまして、一般の人がそういうものを持って、みずからアルコール検知をしながらというふうな話もあるんですが、これについて、よしあしはあると私は思うんですが、それも含めての認識をまずお伺いしたいと思います。

○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
 市販のアルコール検知器を少なからぬ企業で導入して従業員の飲酒運転防止に役立てているというふうに聞いておりまして、喜んでいるところでございます。

○土井(亨)委員 機会があれば、この点、もうちょっと議論させていただきたいのでありますけれども、そういう段階ではないというふうに私は思っております。
 いわゆる酒気帯びということで、〇・一五ミリ・パー・リットルですか、これ以下であれば飲んでも差し支えないとみずから判断すること自体が私は問題があるのではないか。乗るなら飲むなという形で、飲んだら絶対運転しないという形で頑張っているということであれば、そういう器械がどう使われているかということをしっかり認識していただきたいというふうに思っております。これは、あとは結構でございます。
 それでは、銃器対策の方に移らせていただきたいと存じます。
 平成七年に銃器対策推進本部が内閣に設置されました。このときには、その当時の銃器情勢というのがあったのだろうというふうに思っております。その当時の銃器情勢にかんがみての設置でありますから、そのときから十二年たっているわけでありまして、そのときの情勢、そして十二年たった現在の情勢というものをどうとらえていらっしゃるか、まずお伺いしたいと思います。

○荒木政府参考人 お答えを申し上げます。
 平成七年、警察庁長官に対する銃撃事件や、あるいは八王子のスーパーマーケットにおきます高校生のアルバイトの方が射殺された事件、さらに、京都における暴力団事務所警戒中の警察官に対する射殺事件などなど、暴力した銃器使用の凶悪事件が続発をいたしましたことから、平成七年九月、閣議決定によりまして銃器対策推進本部が設置されたところでございます。
 同本部におきましては、銃器対策の推進要綱を制定いたしまして、銃器摘発体制の強化、銃器に対する取り締まり、あるいは水際対策の推進等を柱とする推進計画を毎年度策定いたしまして、銃器犯罪根絶のための施策を政府を挙げて推進することとしております。
 以上でございます。

○土井(亨)委員 端的にお答えいただきまして、ありがとうございます。
 ただ、私もいろいろ調べさせていただきましたのですが、平成七年当時は一般人を巻き込む事件というのが大変多かったということだというふうに思っております。そういう意味で、十八年度、一般人を巻き込むそういう事件というものが減っていればいいんでありますけれども、その辺もお聞きしたかったわけでありますが、まあ、そういう対策を講じてこられたと。
 対策本部は当該年度年度で推進計画をつくられるわけでありますけれども、十八年度の推進状況を見させていただいて、なおかつ十九年度の推進計画を両方照らし合わせて見ましたところ、字句の変更はあったにせよ、ほとんど中身は同じではないかなというふうに思っております。そういう意味で、推進計画における効果、実績等々、また、反省すべき点があれば、お伺いをしたいと思います。

○高市国務大臣 平成十八年は、銃器発砲事件は、発生件数が五十三件ということで、前年比二十三件減少して、死傷者数も十九人と、前年比三人減少で、いずれも過去最少を記録いたしております。
 それから、この推進本部をずっと続けてきた一つの大きな効果として、各関係省庁間の連携が非常に進んだ。情報の共有、それから共同の訓練、そして、ともに協力し合いながら捜査、摘発をするということで、例えば警察と税関などの連携で、暴力団幹部らによりますフィリピンからのけん銃等密輸入事件、それから英会話塾の講師によるアメリカからのけん銃等密輸入事件、これを検挙するといったことで、水際対策の分野で効果が出てきているんじゃないかなと思っております。
 それで、十八年度分と十九年度分を見比べていただいたということなんですが、私も十九年度の計画を取りまとめるに当たりまして、やはり一歩でも前進ということ、ここは重視をしたところでございます。
 例えば、新たに銃器等の輸入してはならない貨物に係る罰則水準、これは引き上げたということで、これまでの取り組みとは変わっておりますし、また、本邦への、日本への入港前に報告された船舶、航空機の旅客及び乗組員に関する情報、これが事前に入るようになりましたから、これを活用して、検査対象を効果的に絞り込んで、それで携帯品をエックス線にかけるとか、こういったことも新たに前進したところでございます。
 また、ことしの二月一日から事前の報告がありますので、三月にさらに法改正もして、六月一日から必要に応じて個々の貨物に関するより詳細な情報を事前に求めることができるようにしたとかいうことで、毎年柱立てはほぼ変わりませんが、これは平成七年の時点での要綱にしたがって政策の柱を組んでおりますので、ただ、着実に前進はしてきていると思いますので、さらに足りないところを六月末までに一歩踏み込んでまとめるということで努力をいたしております。

○土井(亨)委員 もう水際対策につきましては御質問いたしません。ただ、やはり国内、暴力団含めて、銃器の押収、摘発というのは、警察庁、しっかりやられているというふうに思っておりますし、連携をとりながら頑張っていらっしゃるというふうに思っております。そういう意味では、重点的に水際対策というものをしっかり、関係省庁含めて、六月でしたか、出すものに対しまして、水際対策というものを重点でぜひお願いしたいと私は思っております。
 次に移らせていただきます。
 従来ですと、銃器を持っているというと、やはり暴力団関係者ということであったのだろうというふうに思っておりますが、現実的には、大変残念でありますが、今、一般市民、一般の皆さん方も安易に銃器を入手することができるような社会になったんではないかというふうに思っております。
 そういう意味で、一般の市民の皆さんが所持をする、この認識、そしてまたインターネットで容易に入手できるというこの現実を、研究例も含めてどのように分析されているか、お話をいただきたいと思います。

○米田政府参考人 暴力団員等以外から押収しましたけん銃、過去五年間を見てみますと、大体総数の五〇%をちょっと超えるぐらいでありまして、むしろ押収総数からすると暴力団以外の者の方が多いということでございます。では暴力団以外の者の方が多く持っているかというと、それは必ずしも言えないわけでありまして、暴力団の場合は武器庫として非常に厳重に巧妙に隠匿をしておりますので、そこはわかりませんけれども、かなりの数があるだろうというように思います。
 それから、インターネットにつきましては、平成十四年に百十五丁、インターネットでの密売を検挙いたしました。それから平成十五年に二百一丁。しかし、だんだんネットに対する監視もこちらも厳しくしておりますので、このあたりをピークとして下火になりまして減ってまいりまして、昨年は二十八丁でございます。インターネットに関しましては、暴力団の関与が極めて少なくて、これは一般のいわゆるマニアであろうと思います。
 そういうことでありますけれども、マニアであるからいい、暴力団だから悪いということはありませんで、私ども、暴力団の武器庫も含めまして、一般市民の間に潜在しております違法銃器の取り締まりにも全力を挙げてまいりたいというふうに考えております。

○土井(亨)委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 一点だけ、先日、青森県に北朝鮮の脱北者が沿岸に漂着をいたしました。幾ら海上保安庁等々頑張っていらっしゃると言われても、日本という国はまさしく、小船であったり、いろいろな意味で漂着できる国なんだなというのを私改めて認識したところなんですけれども、ぜひ、そういう事例を踏まえて、現実をどういうふうに考えられているか、お話しいただければと思います。

○石橋政府参考人 国内で押収される銃器の多くが外国製である実態を踏まえますと、水際での摘発、非常に重要な課題であると認識しております。
 今回、海上保安庁として、青森県で発生した事案につきましては、洋上で小型船を発見できなかったことを真摯に受けとめており、今後、今回の事案を踏まえながら、水際における監視警戒態勢の強化に努めてまいります。

○土井(亨)委員 ぜひその辺、水際対策、質問しませんということでお話ししましたので、よろしくお願いいたします。何か、そういう意味じゃだれでも漂着で日本に入れる、そういうものがあるうちは密輸入というのは常に頭にあるんだろうと思いますので、ぜひその辺も集中的にお願いしたいというふうに思っております。
 次に、今回の小型船も含めて、漁協やら市民の皆さん、民間の皆さんとの連携というのが私は大変重要だというふうに思っておりますし、やはりその地域地域によって民間の皆さんと連携しながら情報を素早くお寄せいただくということが大変大切だと思いますが、民間等の協力関係についてどのように対応されておりますか、ぜひお伺いしたいと思います。

○米田政府参考人 では、警察におきます民間協力の関係をお答え申し上げます。
 まず、銃器に対する啓発といいますか広報、これを活発に行わなければならないということで、毎年、銃器犯罪根絶の集いというものを、これは特に銃という関係で関心の深い都道府県を選びまして開催をしております。それから、ストップ・ガン・キャラバン隊などの民間ボランティアとの連携、さらには、今、ほかの先生方が御質問の際にお持ちだったパンフレット等々で、まず一般にそういう広報をやっております。それから、銃器一一〇番ということで民間からの情報を受け入れているとか、それから漁業をやっておられる方等々に協力を求めて、その水際での情報も収集をするというところでございます。

○土井(亨)委員 警察庁の対応というものはお聞きしましたけれども、推進本部としてこの民間等の協力関係というのをどう進めていらっしゃるか、お話しいただければと思います。

○荒木政府参考人 銃器対策推進本部において毎年策定しております推進計画におきまして、六本の柱がございますけれども、その中の大きな柱といたしまして「国民の理解と協力の確保」を掲げております。
 先ほど警察の関係については御紹介がありましたけれども、そのほか、やはり民間の方から不審者情報、密輸入情報等をいただくということが大変重要でありますので、特に水際関係で、日本貿易会あるいは日本荷主協会などの外国貿易関係団体、あるいは漁協などの漁業関係団体、運輸関係団体、通関業者等々の業者に対しまして、そういった通報の要請等を行っているところであります。さらに、航空会社とか旅行会社等に対しましても、海外旅行者の銃器持ち込み防止の広報の協力要請を行っております。

○土井(亨)委員 本当に、先ほど申しましたとおり、青森県の事例を見ても、やはり民間の皆さんの情報というのがいち早く問題の解決につながったというふうに思っておりますので、もっともっと、公的機関含めて、大きな機関だけではなくて、地元の漁協含めて、小さなそういう機関にも積極的に私は協力要請をしていただきたいというふうに思っております。
 けさの毎日新聞に「徹底的に銃の取り締まりをせよ」という投稿、これは下山さんという七十四歳の愛知県の方の投稿なんですけれども、長崎県や愛知県での事件を踏まえて、しっかり銃器対策、取り締まれという投稿の文なんですけれども、これを読ませていただいて、せっかく内閣の中に推進本部をつくって、十二年間も一生懸命銃器取り締まりを含めて頑張ってこられた、そういうものが国民の皆さんに余り知られていないのかなという思いをいたしました。啓蒙、広報活動というのは、やはりもっともっと重要だなというふうに思っております。
 そういう意味で、国民の皆さんに対して、この銃器対策、しっかり取り締まるんだということも含めて、広報啓発活動が十分行われてきたのかというような思いも持ちましたので、その辺、どうこれまで取り組んでこられたのか、そしてまた今後どういうふうな広報活動を推進していかれるか、お伺いをさせていただきたいと思います。

○高市国務大臣 最近ちょっと、政府広報に関しましても、適正なコストで必要なことをということで、チェックの目もむしろ厳しいんですが、国民の命、安全にかかわることですから、これはやはり積極的な広報啓発をしなければならないと思います。
 例えば、テレビ、ラジオ、新聞等による広報や、ポスター、それからリーフレット、ビデオの作成配布などを行ってまいりました。特に新聞広報などは、枠組みがとても小さかったりして余り目立つようなものがつくれなかったと私は理解しておりますけれども、今後、銃器対策のさらなる施策検討のためのプロジェクトチーム、今検討中のところでございますが、さらに一歩踏み込んだ施策というものを今まとめておりますので、でき上がった、六月の末にまとまりました結果を踏まえて、国民の皆様にやはりお知らせをしていく、そして協力をしていただく。先ほど先生おっしゃったように、水際対策にも十分に協力をしていただく、細かい情報でも捜査機関にお知らせをいただく、そういった取り組みの一環としても、広報活動の充実を行ってまいりたいと思います。

○土井(亨)委員 ぜひ努力をして、一生懸命取り組んでおられますので、多くの国民の皆さんにその努力というのを知っていただきたいというふうに思っております。
 警察庁では、こういう「NO!GUNS」という本当に見てわかりやすいパンフレットをつくられておりまして、ただ、やはりお金のかかることですから、余り一般の皆さんには配布できないんだろうというふうに思いますが、それこそ推進本部で、内閣挙げて取り組んでいるものでありますから、広報という、啓蒙活動という意味では、もう少し国民の皆さんにわかりやすく、取り組んでいる現実、またその決意というものを知らしめるためにも、ぜひしっかり取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 若干早いのでありますが、重複する質問はすべてカットしましたので、時間的に余裕がありますが、これで終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。