|
|
|
内閣委員会
|
|
平成19年5月25日 |
|
○土井亨委員 自由民主党の土井亨でございます。
きょうは、質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。遠藤委員は郵政省出身のばりばりのキャリアでしたので、今この霞が関の現状をつぶさにお話をいただいて、頑張っている皆さんも多い、また、いろいろな意味で人事管理、今までのシステムが若い皆さん方の仕事に対する意欲を失わせている部分もあるんだというような、いろいろなお話をいただきました。
私は地方議員出身でありますし、私のおやじは地方公務員でもありましたし、兼業農家でもありましたから、こういう霞が関で働く官僚の皆さん方には全く無縁の中で生きてまいりました。そういう中では、一人の国民として率直に質問をさせていただきたいというふうに思っております。
私自身は、なぜこういう法律をつくらなければいけないのか、なぜこういうことまでしなければいけないのかということで、大変残念でなりません。もう二十年前ぐらいから、いろいろな天下りやわたり、そういうものがありました。また政府も、閣議決定やらいろいろな形でその対応、早期退職勧奨を含めて何とかしなければいけない、定年の年齢も上げていかなければいけない、そういう取り組みをされてまいりました。
また一方で、繰り返される口ききや官製談合。いつになったら官僚の皆さん、こういうものに襟を正すんだ、政治家が、政府が法律をつくらなければ襟を正すことができないのか。もっともっとみずからの職というものに信念を持って、また、この国のために国民の皆さん方に奉仕をし、働く、その決意で頑張っていらっしゃるのであれば、法律をつくっていろいろということで制約されるよりも、なぜ、まずみずから自助努力をし、巷間国民の皆さんから非難されているようなことをしっかりと是正しないのか。私は、その悔しさがあります。ですから、私自身は、今回はそういう視点に立って何点か御質問をさせていただきたいと思っております。
まず、一点目であります。
今申し上げましたように、国家公務員の使命というのは何なんだ。国家国民に奉仕をし、また、いろいろな進展のために頑張る、だから国家公務員になられたんだというふうに思っております。しかしながら、やはり時代の進展の中で、いろいろな公務員像というのも求められてまいります。ですから、公務員改革というのも必要であります。制度も、その時代時代に合ったものにしていかなければなりませんし、また、頑張っている皆さん方のためにも、待遇も含めて、しっかりと身分保障をしながら整えていかなければならない。それは時代時代に必要だというふうに思っておりますから、公務員制度改革を含めて、私は、それは当たり前のことだというふうに思っております。
しかし、本来の国家公務員の使命、その使命はいつの時代でも私は変わってはならないというふうに思っております。そこが基本になければ、やはり国民の皆さんから非難されるようないろいろな不祥事を起こすようなことにもなるんだろうというふうに思っておりますので、大臣に、国家公務員の使命、これは今申しましたとおり、時代が変わろうともその本質は変わらないというふうに私は思っておりますので、その辺をまずお聞かせいただきたいと思っております。
○渡辺国務大臣 私が子供のころから聞かされてきた言葉がございます。それは、私のおやじが繰り返し言っていたことなのであります。繁栄した国家や文明は数あれど、繁栄し続けたものは一つもない、必ず国家や文明は衰退をしていくのである、しかし、政治家の使命というのは、いかにこの繁栄を長続きさせるかであるということを聞かされてまいりました。
まさしく、政治家の使命や公務員の使命というのは、基本的に同じことであろうと思っております。国家と国民が持続的に繁栄をし続けていくことに、いかに心を砕くかというミッションを公務員は帯びているわけでございます。国家と国民に奉仕をする、そういう仕事を通じてこの使命を全うしていくことではないでしょうか。
やる気と情熱と強い意思、気概が国家公務員には必要であります。国のために尽くすことを通じて国民の信頼をかち得る、これがさらにやる気と情熱につながっていく、このような好循環のサイクルが必要であります。そのためには、まさしく持てる能力を最大限に発揮してもらうことが大事であります。こうした思いから、今回の国家公務員法改正案を御提出したところであります。
○土井亨委員 今お話しいただきましたけれども、官僚、公務員としてその職を全うする、それをいろいろな形で制度改正していくというのは必要なことだというふうに思っておりますが、今お話しいただきましたとおり、私自身は、国家公務員も地方公務員も含めて、やはり公僕と称されるわけでありますから、国民や地域の皆さんのためにしっかり頑張って、よりよい地域社会、国をつくっていくんだ、その使命という本旨を忘れてはならないというふうに思っておりますし、どうも、その使命を忘れて、いろいろ言われておりますけれども、省益とかそういうもの、または自分たちの既得権益を守る、そのことだけに終始しているような気がしてなりませんし、そういうことからいろいろな不祥事が起こっているんだろうというふうに思っております。
もちろん、まじめに働いて、一生懸命頑張っている官僚の皆さんも多くおります。私は、ほとんどそうだというふうに思っております。一部の幹部官僚の皆さん方の、そういう使命を忘れて国民の皆さんから非難を浴びるような形、それが一つの天下りというものにもなるんだろうというふうに私は思っておりますので、ある意味、本当に一生懸命頑張っている官僚、公務員の皆さんにとっては大変かわいそうなことだというふうに思いますが、そこから襟を正していかなければならないというふうに思っております。
きょうの朝刊にも緑資源機構の記事が出ておりました。朝日新聞です。「談合 動機は天下り 林野庁「再就職が…」」林野庁の幹部は、「われわれの再就職先はなくなったに等しい。つくづく、えらいことをしてくれた」こんなコメントを出しているようでは、まだまだ官僚の皆さん、特に幹部の官僚の皆さん方、しっかりと意識を変えてもらわなければいけない。
自分たちは再就職をしなくても、これまで一生懸命頑張ってくれた自分たちの部下には再就職をしっかりさせてあげなきゃな、そのぐらいの思いがあっていいのではないか。その辺、また私自身、辛らつに言わせてもらうと、霞が関の幹部職員の皆さんは狂っている、何かを間違っているというふうに言わざるを得ないと思っております。
そしてまた、公務員の皆さんには、国家公務員倫理法やら国家公務員倫理規程、また独立行政法人通則法、今問題になっている補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律とか、いろいろな意味で、税金を効果的に、また有効にしっかり使えよというような法律もあるわけであります。身を律する法律もありますが、私からすると、そういう法律さえも守っていないのではないか、そんな強い憤りも感じながらこの朝刊を読ませていただいたところでございます。
政府も、手をこまねいたわけではないというふうに思っております。いろいろな閣議決定やら閣僚懇談会等々を含めて、この早期退職勧奨については何とかせなならぬということで取り組んできたとも思っておりますし、人事院として、そういう形の中でいろいろな資料をつくりながら、また、幹部公務員の在職期間長期にかかるための次官、外局長官等の定年延長等々について、各省庁に報告というか努力してくれ、このことがまず早期勧奨退職の是正につながるということで取り組んでおられますが、できればその対応についてお聞かせをいただきたいと思いますし、その成果についてもお聞かせいただければというふうに思います。
○吉田政府参考人 お答えいたします。
人事院では、早期退職慣行の是正につきまして、これまでも、累次の給与勧告時の報告等におきまして、本格的な高齢化社会を迎える中で、いわゆる天下りに対する国民の厳しい批判にこたえて、公務に対する国民の信頼を保持していくためには、早期退職慣行を是正するとともに、公務内において長期に職員を活用するようにしていくということが肝要だという認識を示してきております。
早期退職慣行の背景には、1種試験採用者について、各府省の運用上、採用同期の者について一定年齢までほどんど差をつけずに、その後に選抜するといういわゆるキャリアシステムがとられておりまして、このシステムのもとで組織の新陳代謝を図り、活力を維持するという趣旨で、採用年次による昇進管理を行う人事慣行があるという点も指摘をしてきたところでございます。
この問題につきましては、今委員御指摘のように、政府におきましては、平成十四年の閣僚懇談会申し合わせで、早期退職慣行の是正ということを各省庁に責任を持ってやれということを指示し、実行しているところでございますし、それから人事院におきましても、いわゆる次官の特例定年というものを設けまして、従来は一般の職員と同じ六十歳でありましたけれども、六十二歳に定年を延長するということを行ったほか、在職期間の長期化をしてまいりますと、高齢者がふえて給与がふえる、人件費が多くなるというような議論もございまして、いわゆる年功的給与上昇を抑制するということも重要になってまいりますので、そういう観点も含めまして、在職期間の長期化に対応できるような年功的給与上昇の抑制のための措置というようなことにも取り組んできたところでございます。
さらに、当面の施策といたしまして、各府省の人事管理の見直しに関する検討にあわせて、複線型人事管理導入に向けた専門スタッフ職俸給表の導入などにつきましても検討を進めているところでございます。
○土井亨委員 今いろいろ御説明をいただいて、進めている、取り組んでいる、発想はすばらしいのでありますけれども、これをやはり具現化していかなきゃいけない。
この間いただいた資料では、人事院発表は平成九年、ここにも幹部職員の在職期間の長期化をなぜ図るのか、これは早期退職慣行の見直しを求めているからだと、まさに今この委員会でいろいろな議論がされているその中心的な中身を、人事院としては平成九年に、しっかり是正していかなければいけないということで取り組んでいたということであります。
そのことが今もってなかなか是正されていないというのは、やはり省庁のやる気、その時々の幹部職員が、本当に是正していかなければいけないんだ、何とか国民の皆さんの信頼をしっかりとかち得ていかなければ私たちの将来はないという危機感さえなかったのではないかということで、私は大変残念でなりません。
ある意味、人事院では、現行の再就職支援制度ということで、公正な人材活用システム、これは今回の法案とはちょっと違う、省庁スルーのシステムではありますけれども、成果が上がっているのか。その仕組みと、もしそのシステムを活用し再就職をした方がいらっしゃれば、どういう審査のもとに再就職をお認めになったのか、お話をいただければと思います。
○吉田政府参考人 現行の国家公務員法百三条では、職員は、人事院の承認を得た場合を除いて、離職後二年間は、その離職前五年間在職していた国の機関等と密接な関係にある営利企業への就職はできないという規定になっております。
現在の手続では、人事院が行政上の権限あるいは契約関係等にある具体的な承認基準を定めまして、本府省の課長相当職以上の職員については人事院が承認を行う、それ以下の職員につきましては、役員の地位につく場合を除きまして、各府省の長に権限委任を行っているところでございます。
今先生お尋ねの、公正な人材活用システムは、国家公務員が在職中に培った高度の専門知識あるいは能力等を広く社会で活用していただくという観点から、公正で透明性の高い再就職システムをつくろうということで、平成十年に創設したものでございます。
このシステムにおきましては、企業からの人材要請は日本経団連を経由して人事院に対して行われまして、人事院では、要請のあるような能力や経験を持った人材を有すると見られる府省に対しましてその要請を伝えて、当該府省において、ふさわしい職員に当たった上でその内諾を得て、当該企業と接触をするという段取りになっております。
さらに、その就職が現行の百三条の規定に該当する、事前承認が必要だという場合には、各府省が人事院に対して承認を申請するということになってございます。
現在まで、このシステムによって現実に人事院の承認を得て就職をした件数は、六十五件でございます。
〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕
○土井亨委員 この人材活用システムというのは、経団連の要請ということは、全くの民間企業からの要請だというふうに思っております。そういう中で、六十五名の皆さんが国家公務員から民間に転出というか新たな道を探して就職をされた。そしてまた、そういう方々は一生懸命頑張っているんだというふうに思っております。
ですから、私自身は、天下りと再就職というものをしっかり分けて考えていかなければならないというふうに、橋本委員も主張されておりましたが、その点をまずしっかりと分けて議論していかなければならないんだというふうに思っております。
もう一方で、総務省の方で、国家公務員人材バンクというものを支援制度としてつくっておりますが、こちらの方、前にも質問された方がいらっしゃると思いますが、再度、実績を含めて、いろいろな資料を見せていただくと、十分に結果があらわれていない、それは各府省等に直接行われて、そういう原因があることも一つだというふうな記載のある資料を読ませていただきましたけれども、そういうものも含めて、どう取り組まれているのか、お話しいただきたいと思います。
○戸谷政府参考人 人材バンクでございますが、これも試行という形で取り組ませていただいておりますが、件数としては一件ということでございます。
理由として、やはり人材バンクへの求人登録件数、これが、時期も悪かったか、伸び悩んでおりました。それから、職員と求人をいただいた方との間に求人内容の条件面で不一致が生じたということがございまして、この辺をまず直さなければいけない。それから、先生おっしゃったように、求人が各府省等に直接行われる例が多いのではないかというふうに思います。
昨年からずっと検討してきたわけでございますが、本年四月から、まず求人開拓でございますが、やはりこれにつきましては民間事業者の活用ということも考えられるのではないかということで、活用可能性の検証作業というのをことしやってみたいというふうに考えております。それから、対象職員につきましても、各省の御協力も得まして、職員の範囲を拡大して、双方の数をふやすということに取り組んでいきたいというふうに考えております。
○土井亨委員 この資料には、十六年度に大学教授に採用されたもの一件というふうに書いてあります。そして、先ほど申しましたとおり、人材バンクの実績が十分に上がっていない理由は、求人が各府省等に直接行われていることが原因であると考えられているというふうにも記載をいたしております。
これを直接読んで判断すれば、試行として行われている国家公務員人材バンク、これに省庁が何も協力していないということになります。何もとは言いませんが、省庁が抱え込んで、人材バンクとして試行としてやっているわけだから、そちらにぜひ求人という形でお願いしたいという、それは私は当たり前のことだと思っておりますし、当然だというふうに思っておりますが、そういう省庁の協力体制というものがしっかりと確立されていない。
試行の段階でこういう形でありますから、大臣、ぜひ、この現実を踏まえて、センターにつきましては、大臣の強い御意思で、しっかりと省庁に対して、もう二度と省庁の天下りにおけるそういうものは起こさせないと、これは通告をしておりませんが、もしその御決意を聞かせていただければというふうに思います。
○渡辺国務大臣 現人材バンクが論議されましたのは、私の記憶では小渕内閣のときだったかと思います。そのときに、道路公団の理事の汚職事件やら防衛庁調達実施本部の不祥事件が起こり、やはりこれは天下り問題とセットで考えていかなければいけないという問題認識があったかと思います。
したがって、そういう認識のもとにつくられた人材バンクが機能していない最大の理由は、土井委員がいみじくも御指摘されたように、各省にあっせんの権限を温存してしまったことこそが最大のポイントであります。
また、先ほど人事・恩給局長が述べたように、求人開拓が不十分であったとか、条件面でのミスマッチがあったとか、そういったもろもろの反省材料があるわけでありますから、まさしくこの失敗の教訓に基づいて、新しい官民人材交流センターの詳細な制度設計を行っていく必要がございます。
○土井亨委員 ぜひ大臣の強いリーダーシップを、これは総理大臣も当然でありますけれども、内閣が強いリーダーシップのもとにしっかりとしたものを、これが私は省庁の省益とか今までの縦割りを打破するスタートになるんだというふうに思っておりますので、よろしくお取り組みをいただきたいというふうに思います。
一点、時間がもうなくなってまいりますので手短に申し上げます。今までいろいろな議論をしておりますが、最終的に、私自身は、国家公務員の意識改革をどうするんだということだと思います。
いかに法律をつくっても、その法律をしっかりと守りながら、その法律以上の意識の中で国民の皆さんに信頼されるような形で働いてもらわなければならない。何か、自分だけ働いて、後は天下りして、高い給料をもらって、わたりをやって何度も退職金をもらう、そんなことをいまだに考えている幹部がもしいるとすれば、そんなことはもう許されない時代だというのをしっかり認識してもらわなければなりませんので、一方で、大変なことではありますが、国家公務員の意識改革というものをどのようにとらえていらっしゃるのか、お伺いいたしたいと思います。
○渡辺国務大臣 天下りを期待して国家公務員になる人はほとんどいないと思います。
国家公務員採用試験1種に合格して、ことしの春、新たに採用された職員に対し、人事院が実施したアンケートがございます。国家公務員を目指した理由は、仕事にやりがいがある、公共のために仕事ができる、スケールの大きな仕事ができるという回答が大半であります。処遇面のよさを挙げる者は少なかったという現実であります。この調査結果からも明らかなように、やりがいのある仕事を求めて、高い志を持って公務員になるわけであります。
しかしながら、年功序列人事が存在をし、まさしくこの延長線で肩たたきが行われ、各省による天下りあっせんが行われている。年をとるにつれて、仕事のやりがい、公共のため、国家国民のためという意識が薄れ、各省縦割り、省益、縄張り意識が強くなっているのが現実ではないでしょうか。まさしく今回の国家公務員制度改革は、役所に入ったときの原点にもう一回立ち戻ろう、そういう仕組みの実現のための改革であるということを申し上げます。
○土井亨委員 ぜひこの改革はそういう趣旨にのっとってやっていただきたいんですが、私の申し上げたいのは、やはり、幹部になれば幹部になるほど誘惑が多くなる、幹部になれば幹部になるほど、OBの皆さんのそういう誘いというようなものも出てくるんだろうというふうに思います。ですから、特に幹部の皆さんの意識改革、本当であれば各省に口きき防止策とか、しっかりと各省がシステム化をしていかないと、この口ききというのはなかなか直らないというふうに私は思っているんですね。
いろいろな形でこれから、外部検査員とか監視委員とかいろいろな制度がありますけれども、まずはやはり、省庁がみずから、口ききは絶対に受け入れないんだ、そういう強い意思と、それをしっかりシステム化することによってOBからの口ききを排除できる、そういうシステムを各省庁ごとにしっかりつくっておかないと、またいろいろな意味で誘惑、OBからの声がけというものも出てくるかもしれない。それは、黙っていればわからないわけでありますから。ですから、黙っている、もうそういう時代ではないわけでありますので、省庁として、しっかりとしたOBに対する対応策、口ききに対する防御策というものをシステム化していただきたいというふうに思います。
もう一点だけ、ちょっと簡単に聞かせていただきます。
公務員の定年は六十歳ですね。原則六十になっております、国家公務員法の中で。お聞きをしたら、昭和六十年に原則六十歳ということで盛り込まれたのだそうであります。
今までどうだったのかなという思いもあるんですが、しかし、原則六十歳定年ということで国家公務員法に規定をされているのであれば、職場自体も、本来であれば六十歳定年という形の組織でなければならないはずなのであります。それが、いろいろお話を聞いておりますと、ピラミッド形だ、ポストが足りない、出世からおくれたからもう外に出てもらう、こういうことが私はおかしいのだろうというふうに思っております。
ですから、原則ではありますが、この六十歳定年というのを厳格に、しっかりと省庁が対応できるような組織体制でなければならないというふうに思いますが、大臣、どうお考えですか。
〔戸井田委員長代理退席、委員長着席〕
○渡辺国務大臣 退職年齢の引き上げについては、小泉内閣のときから取り組んできた課題であります。残念ながら、思ったより年齢引き上げがうまくいっていない現実があるのではないでしょうか。
こうした現実を見るに当たって、どこに原因があるかといったら、やはり年功序列の人事システム、私がスーパー護送船団方式と申し上げている、法律に書いていない慣行の中にあるのではないでしょうか。同期横並びの人事管理を相変わらず行っているわけであります。年功序列であるがゆえにポストがなくなると肩たたきが行われる、その際、セットで人事の一環として再就職先を見つける、これがまさしく天下りであります。
これを打破するために、今回、能力・実績主義を徹底することといたしております。同時に、専門スタッフ職の早期導入、定年延長についてもパッケージとして取り組むことを明確にいたしております。まさにこういったことを進めていくならば、早期肩たたきシステムというのはいずれ消滅をすると考えております。
○土井亨委員 定年年齢が原則六十歳と規定されているわけでありますから、本来であれば入省して六十までいるという形の組織体系でなければ六十歳という定年をしいている意味がないというふうに私は思っておりますので、ぜひそういう形でお願いをしていきたいというふうに思います。
私自身、先ほど冒頭で申しましたとおり、天下りというのは、一部の幹部、官僚の皆さんが自分の持っている権限や官僚のときの力を温存しながら生き抜いていくためにやられているものでありますから、これは何度も言うように、根絶をしてやめさせなきゃいけない。しかし、ある意味、課長を含めてノンキャリでも、そろそろおれももういいかなと思っているときに、そろそろ再就職に行くかというような話になれば、それはすべて否定するものではないというふうに思っております。
民主党さんは今回は早期退職勧奨は全面禁止ということでありますが、私の知り合いにも、地方の課長で早目に退職をして再就職されて本当に一生懸命頑張っている方も数人おります。その方は、何も役所から仕事をもらってくるために雇われているとかじゃなくて、自分の持っている技術やいろいろなものをその会社にしっかり伝えるために頑張っていらっしゃったOBの皆さんと私はおつき合いもございます。(発言する者あり)ですから、中にはいろいろ天下りをして二重三重というものもあるんでしょうけれども、そういう方もいらっしゃるということを踏まえて……(発言する者あり)いやいや、関係しているところなんです。はっきり言うと、国交省に関係している民間の会社ですよ。でも、その会社は、いや、そういうことはもうしていない、できないんだ、だからその人の技術力をしっかりうちの会社で吸収しながら、社員に伝えてほしいんだということで再就職された方も私は知っております。そういう方もいらっしゃるわけでありますから、私は全面的に禁止をするというのはどうかなというふうな思いもあります。
その辺、大臣と民主党の提出者、そこも含めて、すべて悪なのか、全部だめなのか、一〇〇%、天下り、再就職はいけないことなんだということで禁止をされておりますので、よろしくお願いいたします。
○渡辺国務大臣 土井委員御指摘のように、予算や権限を背景にした各省人事の一環としての天下りあっせんは根絶をいたします。また、民間に就職した職員の働きかけについても規制はいたします。これは、刑事罰を伴った厳格な行為規制を導入いたしております。また、外部監視機関による監視体制も構築いたします。
一方において、公務員が能力を積極的に生かせるような再就職の仕組みをつくることは大事であります。職員個人の能力、経験を生かした転職で、この能力、経験が正当に評価されて行われる再就職は、天下りではないと我々は考えております。政府案においては、まさしく公務員本来の能力、経験を生かした再就職を支援する官民人材交流センターを設置してその実現を図ることにいたしております。
○馬淵議員 私どもは、公務員の再就職を制限するものではないんですね。先ほど来申し上げているように、離職前五年間に携わった影響力行使ができる権限、これは例えば契約ですとか、あるいは許認可、行政指導もありますよ、そこにかかわる、これを関係営利企業と呼んでいるんですが、営利企業あるいは非営利も含めた法人への再就職については我々は禁止するんだということで、その意味での肩たたき禁止ということを申し上げているわけですね。再就職を制限するものではありません。
その上で、今お話がありますように、いや、中には関係するところに行って立派に働いている方もそれはいらっしゃるでしょう。しかし、現実にはどうかといえば、けさの新聞にありますように、緑資源機構のように逮捕者が出て、これは国民注視の中ですよ。繰り返しなんですね。きょうも橋本委員がお父様のときから改革をやっているとおっしゃいましたが、しかし、現実には政府の中でどんなに進めてもいまだに出てくる。しかも、ここに政治家の介在まで出ているじゃないですか。政治家の名前が出てくるわけです。我々がみずから襟を正すには、まずその根源となる肩たたきの禁止ということをしっかり定めた上で、その上で、離職後、関係するところには、これは天下りと我々は称していますけれども、これに関しては再就職は禁止なんだ、あっせんも禁止なんだと非常にわかりやすい形で御提示をしているわけであります。
委員の御指摘のように、それはそこまでやったら厳し過ぎるじゃないかとおっしゃいますが、現実にはこうした問題が社会問題化される状況の中で我々は立法化を図っていこうとしているわけですから、そこから目を背けるのはいかがなものかと思っております。
○土井亨委員 私も天下りは大反対ですよ。根絶しなきゃいけない。だから、何度も冒頭から申しましたとおり、こんなことをいつまでも続けたら官僚は崩壊しますよ。国民の皆さんが全く信頼しなくなる。この国は動かなくなります。
ただ、今申しましたとおり、ある意味、早期勧奨退職で、そういう形できちっと二年なら二年、営利企業にも行かないで、しかしその二年後に行ったときにしっかりとした、別に口ききをしたり、そのことによって企業が仕事をもらおうなどということではなくて、本当にその人が培ってきた技術を自分の会社にしっかり入れてくれ、注入してくれという形で行っていらっしゃる方もいらっしゃるわけですから、九九・九%は提出委員のお話のとおりかもしれないけれども、中にはそういう方もいらっしゃるという現実も踏まえれば、一〇〇%、全面禁止ということには私は少し納得できない……(発言する者あり)いや、それは私どもの感覚、意識の違いだと思います。そういうふうに頑張っている方もいらっしゃるということだけは、ぜひ御認識いただきたいというふうに思います。
もう質問時間もなくなってまいりました。これは通告していませんけれども、法案の中身でありますので、一点だけちょっと確認させてください。
附則の四条に、「公務員制度改革実行計画は、次に掲げる事項を定めるものとする。」というところがございます。ここの能力どうのこうのというのが何で附則なんだというのはいろいろな先生方がおっしゃっておりましたが、私がお聞きしたいのは、公務員を免職する場合にというこの二、これの趣旨をちょっとお聞かせいただきたいと思います。ちょうど二十五ページ、これは条文ですから、趣旨をお聞かせください。
○馬淵議員 今御指摘の部分、「公務員を免職する場合に民間の労働者に準ずる保障」、ここの部分でございましょうか。
当然ながら、これは分限免職を意図しているわけですが、この分限免職を行っていくという段階において、労働三権も含めて労働基本権については何ら現時点では議論がされておりませんので、そこに対しての配慮も行わねばならないということを前提にしております。
○土井亨委員 免職となると、分限免職もありますし懲戒免職もありますし、それから、分限免職の中で、七十八条に記載されている一から四、これには、官職に必要な適格性を欠く場合、あなたは適格性を欠くんですとか、勤務実績がもうこれはひどいから分限ですよという形の規定も盛り込まれているわけですよ。今お話しのとおり、これは分限でとおっしゃられても、文章自体を読むと、免職のすべてを含むということになるとちょっと問題だなというふうに思います。
免職にされた人はすべからく、免職の理由によらず保障を行う仕組みを整備するというのは、私からすると暴論というか、こういうことが許されるのかというような条文になっておりますので、ここは訂正された方がいいというふうに思います。余計なお世話かもしれませんが、済みません。
○馬淵議員 今御指摘の部分で、分限免職のみならず、これはさまざまな形の免職も含むということでこの条文には定めたつもりでございます。
○土井亨委員 そうすると、国家公務員として不適格であって分限免職または懲戒免職をしても、それを保障する仕組みはきちっと構築するということになりますね、免職としか書いていないわけでありますから。
○馬淵議員 これらさまざまな免職の規定に対して、制度設計というのは、行政刷新会議も含めて我々はしっかりとつくっていくということでございます。
○土井亨委員 私、もう質問時間が終わりましたが、ただ一点、やはり法案ですから、免職というものはいろいろな形の免職があるわけですから、すべての免職と読み取れるような条文では、これはまさしくお手盛りとしか言いようがないということだけはお話をさせていただいて、限定した形の免職ということであれば理解もできますが、提出者がお話しいただいたように、免職ということだけでは、これはお手盛りだということをお話しさせていただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
|
|
|
|